燃え尽き症候群(バーンアウト症候群)の症状は、大きく三つの段階に分けられます。いずれも心身が摩耗した状態なので、仕事や私生活にまで悪影響を与えてしまう危険な状態です。もしこれから挙げていく症状が出始めたら、すぐに回復方法(詳細)を実践しましょう。
第一段階の「情緒的消耗感」では、仕事をするのが億劫に感じたり、感情の変化に気づきにくくなるといった症状が見られます。介護職においては、利用者に寄り添った対応が必要となるため、過剰に気を配りすぎるといった場面も多くなりがちで、気づかないうちに心身ともに疲弊しきっていることも少なくありません。自分のことを疎かにして、周りに気遣いすぎることで、情緒的なエネルギーを使い果たしている状態です。
第二段階に移行すると「脱人格化」という症状が見られます。この段階では、相手を思いやったり、気遣ったりすることができなくなってしまいます。この症状は、これ以上の消耗を防ぐための防衛機能によるものです。これまで築いてきた人間関係を断ち切ったり、相手のことを考えず自分の意見を押し通そうとしたり、人が変わったような言動が特徴です。
最終段階になると、「個人的達成感の低下」が起こります。「情緒的消耗感」や「脱人格化」を放置したままにしておくと、介護の現場においては利用者に寄り添った仕事や同僚への思いやりができなくなるため、周りからの評価も下がってしまいます。また、以前はできたはずの質の高い介護サービスも思うようにできなくなるため、達成感も評価も得られず仕事にやりがいを感じられなくなる状態に陥ってしまいます。自分がうまく働けていないことに不満を感じ、自信を失ってしまうことで、休職や離職をせざるを得ない場合も少なくありません。